実は凄いはかりなのです!!

みなさんは学校の理科室で、この上皿天びんを使った記憶があると思います。実は凄いはかりなのです!

:みなさんは重さを比べる時、シーソーの様な機構では、同じ重さの物であっても支点からの距離が同じでないとバランスが取れない事を習ったと思います。

みなさんは学校の理科室で、この上皿天びんを使った時、はかる物と分銅を支点から同じ距離に置こうとはしなかったと思います。では何故上皿天びんはバランスがとれるのか?上皿天びんは、ただのシーソー機構では、ないのです!

:実は上皿天びん下の土台部分の中で左右の皿を支える2本の柱が、つながっているのです。

:上皿天びんは左右の皿を支える2本の柱と上下2本の横棒が自由に動く様につなげてあり平行四辺形を形成しています。この平行四辺形をロバーバル機構と呼びます。このロバーバル機構は17世紀にフランスの数学者ロバーバルによって考案されました。ロバーバル機構によって、はかりは凄い進歩を遂げたのです。

D・E:写真D・Eの様に①、②の皿のどの位置に分銅を置いても皿を支える柱の真下に力がかかるのです。

:同じ重さの分銅であれば、①、②の皿のどの位置に分銅を置いても皿を支える2本の柱が支点から同じ距離にあり、力が真下にかかるので、つり合いが取れるのです。

昔のはかりは上の写真の様に皿を上から吊り下げる構造でした。この様に吊り下げ式にしないと、上記の理由でバランスを取る事が難しかったのです。このロバーバル機構が考案された事により、はかりは吊り下げ式から上部に皿を付ける上皿式へと進化していきます。皿を上に付ける事により、より大きい物、より重い物をはかる事が出来る様になりました。そして今でも、このロバーバル機構は現代のロードセル式のデジタルはかりにも採用され、上皿天びんの基本原理であるロバーバル機構は現代でも通用する機構なのです。

この上皿天びんの凄い所をもう1つ!

現代のデジタルはかりは、どんなに微細な物でも、どんなに大きく重い物でも正確にはかる事が出来ます。しかし弱点があるのです。どんなに正確で精密なはかりでも、違う地域に持って行くと、地球の時速1600㎞の自転による遠心力の違いで、重力加速度が変わってしまい、現代のデジタルはかりは、その場所で重力加速度の補正をしてあげないと、正確な計量が出来なくなるのです。しかしこの上皿天びんなら正確な分銅があれば、分銅と比較をするので、重力加速度の補正がいらないのです。地球上のどこへ持って行っても上皿天びんなら、100gの物は100gなのです。このシンプルな作りの上皿天びんは、とても凄いはかりだったのです!!